食後高血糖の恐ろしさ…検診の血糖値は正常でも油断禁物
■注目される配合注射薬
その上で食後高血糖が改善されなければ、薬物治療になる。
「一般的に薬物治療は経口薬から始めますが、経口薬だけでは食後高血糖が改善しない患者さんがいます。その数は3割ほどと言われています」
その場合、インスリン注射薬に移行するわけだが、以前は1日3回、食事に合わせて注射しなければならなかった。
今、注目されているのが「インスリン+GLP―1受容体作動薬」の配合注射薬だ。昨年、製薬会社「ノボノルディスクファーマ」が国内初の薬を発売し、今年は「サノフィ」が続いた。
「1日1回で負担が少ない。GLP―1受容体作動薬は食後高血糖を下げる作用に優れていますが、空腹時血糖値に関しては効き目が弱い。インスリンとの配合薬にすることで、空腹時と食後、どちらの血糖値も下げやすくなります」
臨床研究では、インスリン、GLP―1受容体作動薬をそれぞれ単体で用いるより、配合薬の方が効果が高いと証明されている。