事故による脳損傷で「怒り」が制御不能に…注目される根治療法

公開日: 更新日:

■1回30分、全8回のプログラム

 脳損傷後の怒りは脳の器質異常のために起こると医学書にも載るほどで、根治は半ばあきらめられていた。しかし宗医師らは自らの治療経験を通じ、脳損傷後の高次脳機能障害でも心理的アプローチで怒りのコントロールは可能と確信。独自の認知行動療法プログラム開発に至った。

 プログラムは週1回30分のセッションを全8回で構成されている。治療の前半は、患者自身がどういうプロセスで怒りが生じたかを、時系列に見える化して分析する「感情すごろく」を練習する。これを繰り返すことで、怒りの構図を客観視することが可能になる。

「怒りを含め激しい感情の大半は、実は二次的に発生したフェイク感情です。その奥底には、感じるのに苦痛を伴うリアルな感情が存在します。たとえば交通事故で障害を負い、今まで通りの人生を送れなくなり、それを周りに理解してもらえない悲しみや不安の気持ち、これが一次感情です。でも、これがあまりにつらいと、人は怒りなどのフェイク感情に目をそらし逃げがちです。そこで治療後半では、怒りの背後に潜在する一次感情を直視する練習を行います。それができると、役割を失った怒りはもはや無意味となり、意識にのぼらなくなります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」