夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症なら妻も発症しやすい
■脂質異常症は2.58倍高く
夫婦は顔が似てくる、と言いますが、夫が生活習慣病の場合、妻も生活習慣病のリスクが高くなるという研究結果も報告されています。
研究を行ったのは、筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野/ヘルスサービス開発研究センターの田宮菜奈子教授らです。2016年国民生活基礎調査のデータを2次利用し、40歳以上の夫婦8万6941組を対象に分析しました。
その結果、夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症で治療を受けている場合、その妻は、夫がそれらの生活習慣病で治療を受けていない妻と比べて、同じ病気で治療を受けている割合が高いことが分かりました。さらに、夫婦の居住場所や経済状況、妻の年齢・学歴・飲酒・喫煙・ほかの疾患での治療の有無の影響を調整し、夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症で治療を受けている場合の、妻が同じ病気で治療を受ける相対リスクを推定しました。
すると、夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症で治療を受けている妻は、同じ病気で治療を受けるリスクが高血圧1.79倍、糖尿病1.45倍、脂質異常症2.58倍高くなることが明らかになりました。