高血圧治療専門の医師が教える「本当に血圧が下がる食べ物」

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 24時間血圧を測り続けて、今月で37年目に突入。それが、日本歯科大学内科客員教授の渡辺尚彦医師(日本高血圧学会専門医)だ。自身の経験から見えてきた血圧低下のポイントを聞いた。

 循環器内科医で高血圧患者を多数診ている渡辺医師が、連続携帯型血圧計で24時間365日、血圧を測定し始めたのは1987年8月のこと。

「入浴中以外、診察中、移動中、睡眠中、食事中、トイレ中と、常に血圧計をつけています。血圧はちょっとしたことでも変動する。それをモニターすることで、日常の食事の減塩や運動といった一般的な降圧方法に加え、より血圧を下げられる方法がわかる。私が実証済みの方法を、今度は患者さんに勧め、実験も行っています」

 米ハーバード大学の研究チームが30年にわたって12万人の食生活を調べたところ、死亡率を大きく下げる食材のひとつにピーナツがあった。

「ピーナツには飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がバランスよく含まれていて、悪玉コレステロールを下げ、血管を丈夫にする作用があるという。そこで私もピーナツで血圧が下がるか試してみました」

 味付きピーナツは塩分量が多い。味が付いていない素焼きのピーナツを、渋皮と一緒に食べるようにした。すると血圧低下。そこで渋皮付きピーナツを毎朝20粒、患者に食べ続けてもらったところ、3~4週間後に血圧が8(㎜/Hg)下がり、それが維持された。

「血圧1㎜/Hgは塩分1グラムに相当するので、8グラムの減塩と同じことになります」

 渡辺医師の知人が渋皮を外してピーナツを食べたときは、血圧がそれほど下がらなかった。

「渋皮は必須です」

 赤ワインに含まれるポリフェノールは、動脈硬化を防ぐといわれている。では、同じ原料のぶどうジュースは?

「果汁100%のぶどうジュース、果汁10%のぶどうジュース、果汁100%のオレンジジュース、焼き芋の4種類をそれぞれ朝昼晩、患者さんに取ってもらい、1週間の血圧の変動を見ました」

 焼き芋を入れたのは、ポリフェノールの効果とともに、血管拡張作用のあるカリウムの効果もテストするため。結果、オレンジジュースと焼き芋は血圧降下作用なし。果汁10%のぶどうジュースは、わずかに下がった人はいたものの、統計学的に有意差はなかった。

「100%ぶどうジュースのみ、はっきりと血圧が下がりました。ぶどうに含まれるポリフェノールが血管拡張作用のある一酸化窒素の産生を促していると考えられます」

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