ビタミンDが腸内細菌のバランスを改善する 学術雑誌で報告
ビタミンDというのは、魚介や卵、キノコ類などに多く含まれるステロイドの仲間のビタミンで、カルシウムの吸収を増加させるなど、健康な骨の維持には不可欠な成分です。このビタミンDは人間の体に入ると、腎臓で活性化を受け、活性型ビタミンDに変化します。腎臓が悪くなると骨がもろくなるのはそのためなのです。
さて、ビタミンDは骨ばかりでなく、体のバランスの調節に広く働いていることが、最近明らかになってきています。ウイルス感染などから身を守る免疫の働きも、動脈硬化の進行を予防するような働きも、ともにビタミンDが欠乏するとうまく機能しないことが分かっています。さらに昨年、「ネイチャー・コミュニケーションズ」という一流の科学誌に、ビタミンDと腸内細菌についての興味深い研究結果が発表されました。それによると、高齢男性の腸内細菌の多様性と血液の活性型ビタミンDの濃度との間に、有意な関係が認められたのです。
腸内細菌はビフィズス菌や大腸菌が有名ですが、より多くの細菌がバランス良く成育している状態が、健康長寿のためには重要であると考えられています。活性型ビタミンDが多くあることが、腸の健康のためにも重要であるようなのです。ビタミンDは健康の重要なパートナーであることは間違いがなさそうです。