著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

権威ある英医学誌で発表 ビタミンDで長生きは本当か?

公開日: 更新日:

 ビタミンDはステロイドホルモンの一種で、カルシウムの吸収を高めるなどの働きを持ち、骨の健康のために必要なビタミンです。それ以外に免疫を調節する作用があり、このため肺炎などの炎症やがんの時には、ビタミンDが低下することが知られています。

 今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という権威のある医学誌に発表された、日本の疫学データの解析では、血液中のビタミンD濃度が高いと、低い人よりがんになるリスクが2割低下したと報告されています。ビタミンDが高いとがんになりにくい、という結果です。それでは、ビタミンDをサプリメントなどでたくさん取ると、病気の予防になるのでしょうか? その点についてはまだはっきりしたことが分かっていません。

 今年アメリカの循環器の専門誌に掲載された論文によると、ビタミンDのサプリメントを使用しても、それで心臓病脳卒中が予防されたり、寿命が延びるようなことはない、という結果が得られています。がんについても、サプリメントを取ることでがんが予防された、というような結果は出ていません。

 従って、今のところサプリメントでビタミンDを補充することはお勧め出来ませんがビタミンDが不足すると病気の増えることは事実で、魚やキノコなど、ビタミンDを多く含む食品を毎日食事として取ることは、下手な薬よりも病気の予防になりそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末