打ち手不足なのに薬剤師のワクチン接種はなぜ許されない?
■カナダや米国では薬局でも接種できる
現に海外では、薬局でワクチン接種できる国もある。カナダでは薬局で予防接種を行うことが一般化しており、薬学部の学生やインターンでも4時間程度の研修を受ければ打つことができるし、米国薬剤師会のホームページにはワクチン接種が受けられる薬局の検索が可能だ。
新型コロナワクチンは、ちょっとしたことで分解してしまうため、低温での保存、衝撃・振動の回避、光・紫外線の遮蔽が必要だ。そうしたことを深く認識している薬剤師がワクチン接種も行えば、常温で保管されたワクチンを接種したり、過度に薄められたワクチンを打つなどといったミスは防げるのではないか。そもそも薬剤師は医師や歯科医師と同じ6年教育を受け、薬については医師に助言する立場。診断不要のワクチン接種をしてもいいはずだ。
薬剤師のワクチン接種についてはインターネットで行われた約2万4000筆の署名が提出されたこともあり、政府のワクチン担当である河野太郎規制改革相が「薬剤師による接種を検討する」と発言。また東京都の小池百合子知事も菅義偉首相に対して、薬剤師がワクチンの打ち手となるよう要望したと報道されている。