具材たっぷりの食事が認知機能を維持し脳の萎縮を抑制する
そこで出た主な結果が、「DHAの血中濃度が高い(=魚をよく食べている)」「豆・豆製品の摂取量が多い」「乳製品やココナツミルクに多い短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸の摂取が多い」「緑茶を日常的に飲んでいる(1日1杯以上)」「リジンやスレオニンといったアミノ酸摂取量が多い」人は、認知機能が保持されるということだ。
「食品の中で認知機能との関連が特に強かったのが、穀類と乳製品です。穀類摂取量が多いほど認知機能低下リスクが上がり、乳製品が多いとリスクが下がる。穀類では米類の摂取量は認知機能と関連していませんでしたが、うどんやそうめんなど小麦ベースの穀類摂取量が多い人ほど認知機能低下リスクが顕著に上がっていました」
これは、小麦ベースの穀類が脳に悪いということではなく、うどんやそうめんなど単体(おかずなし)で食べることが問題なのではないか――。そこで大塚部長らは「食の多様性」に着目してさらなる研究を行うと、さまざまな食品群をバランスよく食べている食の多様性が高い人ほど認知機能低下リスクが下がることが分かった。食の多様性の程度を示すスコアを用いて、スコアが高い人から低い人まで4つの群に分けると、きれいな相関が見られたという。