がんではないかと不安になる壊死性リンパ節炎は原因が分かっていない
そして血液内科の医師から、「悪いものでなくて良かったですね。壊死性リンパ節炎の原因はよく分かっていません。何もしないで良くなる方と、ステロイドホルモンを使って良くなる方が半々くらいです。ステロイドホルモンを出してみましょう」との説明がありました。
処方されたステロイドホルモンを夕方から内服したところ、翌朝にはリンパ節は小さくなっていて、1週間後にはほとんど触れなくなりました。
血液内科の医師は「腫れはほとんど消えましたね。良かったです。薬はもう必要ないと思います」と言って、さらにこんな話が続きました。
「採血の結果でIL2RとLDHという値が上昇した場合、悪性リンパ腫と間違われます。あなたの場合も少し上昇していましたが、今日の採血ではLDHはもう下がっています。確定診断には、やはりリンパ節を1個取って、組織診断ではっきりさせるしかありません。あなたの場合は、リンパ節を触った感じは悪性リンパ腫の時と同じような、やや柔らかい硬さでした。また違う病気ですが、結核で首のリンパ節が腫れることもあります。この時もこんな硬さですが、塊が連なって腫れることが多いのです。乳がんや肺がんのリンパ節転移の場合は、もっと石のように硬いことが多い。『壊死性』というのは、腫れたリンパ節の中がいわば壊れて壊死になっているからそのような病名なのです。腫れが消えてなくなっても、また再発することもあります。もしまた腫れたり心配なことがあったら、どうぞおいでください」
壊死性リンパ節炎は発熱とリンパ節腫脹を来し、昔からある若い人に多い病気です。まれな病気でもないのですが、まだ原因がよく分かっていないのです。