新型コロナは「感染」と「重症化」と「死亡」が直結しなくなりつつある
これを新型コロナの政策変更に取り入れたのが英国だ。7月16日に5万1870人が感染、49人が死亡したにもかかわらず、ロックダウンを解除しつつある。ロンドンで開催されたサッカーのヨーロッパ選手権の準決勝、決勝は、1試合6万人の観客が入場。テニスのウィンブルドン選手権も、女子シングルス準々決勝から、観客を100%収容した。これも感染者と死者・重症化が直結しなくなったと考えたからだ。
日本では感染と重症化・死亡が直結しないと言えるまでは、決して警戒心を緩めてはいけないが、世界的な流れは新規感染者数に一喜一憂する段階から別のステージへと進みつつある、と考えてもいいのではないか。
既に新型コロナ感染症の重症化のメカニズムは明らかになりつつある。ウイルス感染への強力な免疫反応が炎症性サイトカインの過剰産生につながり、それがサイトカインストームを発生させ重症化する。このときインターロイキン6(IL-6)やIL-6アンプが活性化する。
その一方で、リンパ球が減少する。それが重症度と死亡率に関係する。また、死亡した患者は免疫に重要なT細胞が減り続ける。さらに好中球の数は生存者よりも死亡者の方が多く、好中球対リンパ球比は重症度の予測因子と考えられることなどもわかってきた。