葉山惟大
著者のコラム一覧
葉山惟大日本大学医学部付属板橋病院皮膚科病棟医長/皮膚科専門医

コロナ禍で若い人にも増加 帯状疱疹を後遺症なく治すには

公開日: 更新日:

 今回は、日本人に比較的多い帯状疱疹についてお話ししましょう。

 帯状疱疹とは、水ぼうそうウイルスが引き起こす感染症の疾患です。子供の時に発症した水ぼうそうは治った後も水ぼうそうウイルスとして体内の神経節に潜んでいて、普段は私たちの免疫力がその活動を抑えています。ところが、疲労、ストレス、加齢などで免疫力が下がると、水ぼうそうウイルスが活性化し、神経の流れに乗って神経節から皮膚へと移動し、帯状疱疹を発症します。

 症状は、体の左右どちらか一方に生じるピリピリと刺すような痛み。そして、水膨れが帯状に表れたりします。免疫力が関係しているため、50代以上の中高年ほど発症しやすい傾向があります。ところが生活様式の変化で最近では全年代で患者が増えているようです。特に目立つのは、20~40代の子育て世代の女性の増加。新型コロナウイルスの蔓延により生活スタイルが変化し、ストレスが増えたことも原因ではないかと考えています。

 昔は子供が水ぼうそうにかかる病気だったため、子供と同居する大人では水ぼうそうウイルスに対する耐性がありました。ところが、近年、子供の数が減り、子供と同居する世帯も減ったため、水ぼうそうウイルスに触れる機会が少なくなり免疫が維持できなくなっています。それが若い年代での患者数増加につながっているとも考えられています。また、水痘ワクチンが義務化され子供の水痘が減ったのも大きな原因と考えられています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」