なぜ公園でくつろぐ高齢者は蚊に刺されてもかゆく感じないのか
■赤ちゃんは蚊に刺されても腫れも痒みもない
アレルギーの正体は免疫反応です。蚊の唾液に対する免疫反応には、4段階あることが分かっています。蚊との付き合いの長さに伴って、段階を踏んで反応が変化していきます。
第1段階は生まれたばかりの赤ちゃんです。まだ刺されたことがないので、体内には蚊の唾液に対する免疫がありません。そのため乳幼児は蚊に刺されても、アレルギー反応が出ません。腫れも痒みもないのです。
しかし何度も刺されていくうちに、次第に免疫が形成されていきます。幼稚園に上がるまでには、T細胞やマクロファージと呼ばれる免疫細胞が、蚊の唾液成分を認識できるようになり、刺された箇所に集まって炎症反応を起こすようになります。ただし、刺されてもすぐには痒くなりません。反応が起こるまでに1日から2日ほどの時間がかかります。そのため遅延反応とか遅発反応と呼ばれています。子供のころは、まだ大半がこの段階にとどまっています。 また体質によっては、数日から数週間にわたって、腫れと痒みがぶり返すことがあります。ただしあまり続くようなら、「蚊刺過敏症(蚊刺過敏症)」という難病の可能性がありますから、医者に診てもらったほうがいいでしょう。