認知症は症状が出る前に発見! アミロイドPET検査で発症を食い止める
「アルツハイマー病を発症させない、進行させないためには、いかに早くアミロイドβの蓄積を発見するかが肝心。ところが症状が出てくるのは、脳の萎縮が始まってから。この段階からの対策では不十分で、症状が出てくる前に対策を講じたい。アミロイドPET検査が、それに役立つのです」(新井医師)
■MRIやCTでは「早期」は見つけられない
現在、アルツハイマー病に至る過程は「健常者→主観的認知機能低下(SCD)→軽度認知障害(MCI)→アルツハイマー病」と分類されている。SCDは認知機能は正常だが本人が「忘れっぽい」などと感じている段階で、MCIの後半になると脳の萎縮が見られる。MCIの半分は5年以内にアルツハイマー病に移行するといわれており、新井医師は可能ならMCIの初期やSCD、さらに可能なら健康なうちから、アルツハイマー病にならないよう介入すべきだと考えている。
ちなみに、脳の検査にはMRIやCTがあるが、脳の形態を見るものなので、脳が萎縮していないMCIの初期やSCDは見つけられない。MRIを用いる脳ドックはアルツハイマー病の早期発見に向いていない。直接的にアミロイドの沈着を発見できるのは、アミロイドPET検査だけだ。