認知症は症状が出る前に発見! アミロイドPET検査で発症を食い止める
50代の女性は物忘れがひどく、脳に軽い萎縮があった。認知症専門病院で若年性アルツハイマー病と診断。セカンドオピニオンを求めて新井医師のクリニックを受診し、アミロイドPET検査を受けたところ、女性の脳にはアミロイドβの蓄積がなく、アルツハイマー病の病変が見つからなかった。問診や血液検査などから、その女性が長年毎晩飲んできたアルコールが脳の萎縮を招いており、物忘れはアルコール性の健忘症と診断。アルコールを控えて生活習慣を改めたところ、物忘れが減った。
「健脳ドック」では、アミロイドPETのほか、MRI、血液検査、認知機能検査も行う。
「認知症はアルツハイマー病が7割を占めますが、血管性認知症やレビー小体型認知症といったほかの原因のものもあり、さらに認知機能を低下させる認知症“以外”の病気もあります。MRIなどがこれらの発見に役立ちます」
アミロイドβの蓄積が見られれば、認知症の発症に関係しているとエビデンスがあるもの(生活習慣や難聴など)を徹底除外する。脳の健康を保つための運動や食事なども指導する。試みは始まったばかりだが、かなりの効果が期待できるのではないかと、認知症専門医の注目を集めている。