意識していないのに…突然、体がビクッとなるのは病気?
電車などでうたた寝している時に突然ビクッとなることがあります。これは「ジャーキング」という現象で、入眠時に無意識に体が動いてしまう生理現象です。
一方、体が起きているのにビクッとなるのは、ほとんどが筋肉疲労による筋肉の痙攣が原因です。激しいスポーツをした後やずっと同じ体勢で座っていて筋肉が固まった状態になるときに起こりやすい現象です。
このような現象が起きているときの筋肉の動きは、脳の神経伝達がうまくいかずに意思とは無関係に体が動いてしまう「不随意運動」の一種です。「ジャーキング」は「入眠時ミオクローヌス」とも呼ばれますが、「ミオクローヌス」はさまざまな病気でも起こることがあります。
睡眠時以外のミオクローヌスは、てんかん、アルツハイマー型認知症などの病気が原因であるケースが考えられます。認知症では、筋肉の異常な緊張やぴくつき、痙攣発作が起こることがあるのです。
また、栄養の偏りや腎不全など、ミネラルバランスが崩れることで筋肉の異常興奮につながり、ミオクローヌスが起こるケースも考えられます。気になる症状が続くようであれば病院にかかりましょう。
▼今野裕之(こんの・ひろゆき) 順天堂大学大学院卒業。慶応義塾大学病院、日本大学医学部付属板橋病院、西東京市役所精神科産業医などを経て、現在、医療法人社団TLC医療会「ブレインケアクリニック」の名誉院長。