中高年の親知らず このまま抜かなくてもいいのでしょうか?
親知らずは、上下左右ともに奥歯の最も後ろに位置する歯です。前歯から数えて8番目に位置します。永久歯は15歳ごろまでに生え揃いますが、親知らずは18~20歳ごろで一番最後に生えます。すでに出来上がっている骨の土台の隙間に生えるため、斜めの状態で半分歯肉に埋まっていたり、骨の中に埋まったままの状態といったケースがあります。
親知らずを抜くかどうかは生え方によります。7番目までの歯と同じように真っすぐに生えていて、噛み合わせに問題がなく、痛みなどもなければ基本的に抜かなくても問題ありません。
ただし、斜めに生えた歯などは、歯ブラシが当たりにくく清掃性が悪くなり、歯茎や口内に炎症を起こし、痛みを感じたり、口が開けづらい症状が出てきます。噛み合わせのトラブルを招くこともあります。50、60代で腫れる人もまれにいます。このように生活に支障が出始めたら抜歯を検討します。
さらに、斜めに生えていたり、半分埋まっている場合、歯ブラシも届きづらいので、親知らずと1つ手前の7番目の歯は、虫歯になるリスクがあります。7番目の歯の治療の際に邪魔になることから、親知らずを抜いて治療することもあります。
ただ、大人になると顎の骨は硬くなるので、中高年の抜歯は困難になる場合が少なくありません。生え方によっては、大学病院や総合病院などの口腔外科専門医に依頼するケースもあります。気になる症状があれば早いうちに歯科医にかかりましょう。