コレステロール降下薬「スタチン」が新型コロナの死亡者減らす 海外で研究報告

公開日: 更新日:

■本格的な研究はまだ数が少ない

 また、スタチンは内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)を活性化させ、血管をしなやかにする血管拡張物質の一酸化窒素(NO)の産生を増加させる。これによって動脈硬化を防いだり、血管内皮に対して保護的に働く。さらに、交感神経の活性化を抑えて血管収縮などに関係するAT1受容体の発現レベルを低下させたり、アンジオテンシンⅡの作用を弱めるので、動脈硬化や血管収縮、血栓形成を予防する効果もある。

新型コロナウイルス感染症の本態は、炎症性の血管内皮障害であることが分かっています。ウイルス感染などによって血管内皮に炎症や免疫反応が生じると酸化ストレスも増加します。それで血管内皮が傷ついたり、その機能が低下するのです。それが、さまざまな血管や臓器に広がることで、心臓、肺、脳、腎臓、消化管といった全身の臓器障害が起こったり、血栓症が引き起こされます。先ほど触れたように、スタチンには炎症や酸化ストレスを抑制し、血管内皮を保護する作用があります。今回の研究でスタチン使用者の新型コロナによる死亡が低下していたのは、それが一因だと考えられます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由