石原藤樹
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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

肺炎ならインフルエンザ検査を受けるべき 死亡リスクを低減

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス感染症に隠れている感じがありますが、冬の時季に流行する感染症の代表はインフルエンザです。今の時季には新型コロナとインフルエンザのどちらにかかってもおかしくありません。両方の検査をする必要があり、診断はより困難になるのです。

 新型コロナにおいてもインフルエンザにおいても、一番重症化の原因となる合併症は肺炎です。それでは、肺炎で入院する患者さんで、インフルエンザの検査をすることには、どのくらいの意味があるのでしょうか?

 今年の呼吸器病の専門誌に掲載された論文では、アメリカの179カ所の病院での調査結果が報告されています。それによると、流行時期においても、肺炎で入院した患者のうち、インフルエンザの検査が施行されたのは30%未満でした。

 検査をしてインフルエンザ肺炎と診断された患者に、入院当日にタミフルを使用すると、2週間の死亡リスクが25%低下し、入院期間も短縮していました。不必要な抗菌剤の使用も抑制されていました。つまり、検査でインフルエンザと診断して、迅速に適切な治療をすることにより、肺炎の患者の予後が明確に改善していたのです。

 確かに意味があまりないような検査もたくさんありますが、肺炎でのインフルエンザの検査は、間違いなくやるべきものであるようです。

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