脈の乱れは「心房細動」のサイン 知っておきたい5つのリスク
心房細動が認知症のリスクを1.4倍高めることも指摘されている。
「心房細動は脳梗塞を起こしやすいので、そもそも脳血管性の認知症を起こしやすい。加えてアルツハイマー型認知症や老人性認知症も起こしやすいとの報告があります。心房細動の人は、脳血流量の低下のみならず高血圧や糖尿病といった生活習慣病を抱えていることも多いため、それらが認知症のリスクを高めている可能性があります」
【生活の質が下がる】
心房細動は、動悸、息切れ、疲れやすさなどの症状がある。それらが日常的にあれば、生活の質が落ちるのは当然だ。
では、対策は?
「心房細動は症状が乏しい人、症状が出ていない人もいます。症状があっても次第に慣れ、自覚しづらくなるケースも珍しくない。とにかく自分の心臓のリズムを知ることが大事。脈を測定する検脈でわかります」
一度でも動悸、息切れ、疲れやすさを感じたことがある人、それらを感じた覚えはないが65歳以上の人、心臓病、高血圧、甲状腺機能亢進症、糖尿病、肥満、脂質異常症がある人は、1日1回、決まった時間に安静にした状態で脈を測定する。普段から記録をつけ、それより速い・遅い、いつもと違って脈が乱れている場合は、かかりつけ医、または循環器疾患を診ている医師に相談する。
「病院へお越しいただければ、さまざまな検査で確定診断をつけることが可能です。心房細動と診断がつけば、患者さんの状態に応じた治療方法を提案することができます」
自分の脈もそうだが、老親がいる場合は、親にもぜひ検脈を勧めたい。