血糖値(上)過去3年分のHbA1C数値が上昇傾向なら要注意
「糖尿病が怖いのは『神経障害』『網膜症』『腎症』といった合併症です。最近分かってきたことで大切なのは、糖尿病合併症は糖尿病と診断されてから起こるのではなく、糖尿病になる前の予備群の状態から徐々に進行しているということです。食後過血糖も見逃さないように、健康被害の備えが大切です」
■正常範囲内でも糖尿病合併症は進行している
糖尿病の疑いがあるかどうか健康診断(採血)で測るのは、朝ご飯を食べないで測定する「空腹時血糖値」になる。126㎎/デシリットル以上は糖尿病が疑われる。しかし、血糖値は常に変化しているので、検査時にたまたま低い値を示しただけかもしれない場合もある。
そこで健診では「Hb(ヘモグロビン)A1c」という数値も測定している。血液中に増えたブドウ糖はヘモグロビンと結合し、糖化ヘモグロビンになる性質がある。ヘモグロビンの総数は一定だが、ブドウ糖の量が増えれば糖化ヘモグロビンの数も多くなる。HbA1cは、すべてのヘモグロビンに占める糖化ヘモグロビンの割合を示した値(%)で、2カ月程度はそのままの状態で血液中に存在している。そのため長いスパンでの平均値を知ることができるのだ。HbA1cは、6.5%以上になると糖尿病が強く疑われる。