認知症、不眠、抑うつ状態… 「漢方薬」が効く意外な病気
「赤ら顔でイライラして落ち着かないなどで入眠に障害があれば『黄連解毒湯』。イライラして怒りっぽいなどの症状があれば『抑肝散』が処方されます。また、抑うつ、驚きやすい、動悸などがあり熟眠できない場合は『柴胡加竜骨牡蛎湯』。更年期障害で熟眠できない、早朝覚醒などがある場合は『加味逍遥散』。中年期以降で、足腰のだるさや夜間頻尿などがあり、早朝覚醒する場合は『八味地黄丸』が適応するとされています」
■抑うつ状態
抑うつ状態とは東洋医学では、過労や心労により感情の乱れが誘発され、気の滞り(気滞)や気の不足(気虚)が出現したものと考えられる。さらには熱や寒、水滞(水の滞り)や、瘀血(血の滞り)・血虚(血の不足)などでも生じる。
「イライラや怒りっぽさがあり、眼瞼けいれんや手足のふるえなどを伴う場合は『抑肝散』が用いられます。日頃から気分が鬱々としやすい傾向があり、頭痛や食欲不振などを伴う場合は『香蘇散』。『香蘇散』は月経を調節する作用もあり、女性に用いられることも多いです。疲れやすく、頭痛・肩凝り、発作性の上半身の熱感・発汗さらには月経前症候群、更年期障害などがある時は『加味逍遥散』が向いています」
いずれも漢方薬を用いた治療を行う医療機関か、漢方薬を専門に扱う薬局で処方を受けられる。