糖尿病ではすい臓がんリスクが増加する 発症確率が5.7倍に
糖尿病は、今では国民病と言っていいほど増加している病気です。その原因は遺伝や環境などさまざまですが、血糖を調節するホルモンであるインスリンは、すい臓から分泌されているので、すい臓の慢性的な炎症などがあると、それも糖尿病の原因となることがあります。すい臓の病気の中で一番怖いのはすい臓がんで、多くのがんの中でも予後が悪く、早期に発見されることも難しいといわれています。それでは、すい臓がんと糖尿病との間には、どのような関係があるのでしょうか?
糖尿病ではすい臓がんになりやすい、ということは分かっていても、その詳細は不明でした。今年のランセットという一流の医学・公衆衛生の専門誌に、中国での統計データが掲載されています。
それによると平均的な比率と比較して、糖尿病の患者さんではすい臓がんになる確率が50%以上高く、特に若い年齢で発症して、糖尿病の期間が長いほど、すい臓がんになりやすいことが分かりました。20歳から54歳の時に糖尿病になった人は、平均的な比率より5.7倍以上も、すい臓がんになりやすかったのです。また血糖値が悪いことも、すい臓がんのリスクを高くしていました。糖尿病では定期的にすい臓のチェックを行うことが、重要になってくるのかもしれません。特に糖尿病の期間が長く、血糖値が高い人は注意が必要なのです。