認知症は「外見」にあらわれるのは本当?論文でも報告あり
予防医学の観点からいえば、表情を若く保つことができれば認知機能の悪化リスクを下げられます。自分のことを客観的に見たときに感じる「主観年齢」が「実年齢」よりも高いと、認知機能障害や認知症を発症する可能性が高くなることも分かっているからです。18年に韓国の研究チームが米国の学術機関「Frontiers in Aging Neuroscience」で発表した論文では、59~84歳の被験者68人にMRIで脳の神経細胞が集中する神経組織「灰白質」の密度を計測した結果をまとめています。それによると、主観年齢を実年齢より「若い」と答えた人は、「同じくらい」「老けている」と答えた人に比べて、灰白質の密度が高く、記憶力も良かったと報告しています。外見を磨くことは認知症予防にもなるのです。
▽望月瑠璃子(もちづき・るりこ) 兵庫医科大学卒。大阪警察病院、大阪大学医学部付属病院などを経て、ルリクリニック院長を務める。日本内科学会専門医、抗加齢医学会専門医として、美容内科、栄養学、アンチエイジング、再生医療にも精通している。