全米で人工妊娠中絶の是非めぐる住民投票が注目だが…目的が州によって全く逆という驚き
11月8日はアメリカ中間選挙です。上下院議員や州知事選以外に、いくつかの州で行われる住民投票が注目されています。人工妊娠中絶の是非を、議会でも裁判所でもなく、住民自身が決める投票だからです。
アメリカ最高裁は6月末、それまで合法だった中絶の権利が、合衆国憲法では守られないと判断。中絶の是非は各州それぞれの決定に委ねられることになりました。国民の過半数の意思に反し、70年続いた女性の権利を覆した判断には衝撃が走り、全米で激しい抵抗運動が巻き起こりました。
結局、全米50州のうち13州で中絶をほぼ全面的に禁止する法律が成立。14州で厳しい制限はあるが合法。それ以外の州では合法という、1つの国の中でパッチワークのようになっているのが現状です。
こうした中で、いくつかの州で行われる中絶の是非をめぐる住民投票。驚くのは、目的が州によって全く逆だということです。
まずカリフォルニア・ミシガン・バーモント州の3州は、州憲法に中絶の「権利」を明記するかどうかの住民投票。つまり現在合法のこれらの州でも、憲法に記載することで、今後万が一のことがあっても、中絶の権利は揺るがないものにしようという考え方です。