アルツハイマー病の新薬「症状悪化27%抑制」 実用化へ米科学者から期待と懸念が
日本のエーザイとアメリカのバイオジェン、2つの製薬会社が共同開発しているアルツハイマー新薬「レカマネブ」が、全米で大きな反響を呼んでいます。病気の進行を抑える初めての画期的な治療薬として、多くのマスメディアが取り上げています。一方で、医療関係者からは懸念の声も上がっています。
「レカマネブ」はアルツハイマーの進行を抑える薬です。アルツハイマー病は、脳にアミロイドβ(ベータ)と呼ばれるタンパク質が溜まり、神経細胞が傷つけられることで、認知症の症状が発生すると考えられています。アメリカには580万人のアルツハイマー患者がおり、その数は2060年までになんと3倍になると予測されています。
両者は先月28日、「最終段階での臨床試験で、薬を投与されたグループでは症状の悪化が27%抑えられた」、すなわち有効性が確認できたと発表しました。さらに2023年末までに、日本や欧米で承認申請をする方針を明らかにしました。
この発表にどれほどインパクトがあったかは、バイオジェンとエーザイの株価が一気に跳ね上がったことからも伺えます。