ワーケーションが睡眠中の自律神経を整えて動脈硬化を抑える 日本人研究者が初めて証明
「しかし、ワーケーションが実際の労働生産性に与えるエビデンスが少ないことが障害になって法整備などが進みません。そこでワーケーションが医学的にどう有益なのかを明らかにする必要が出てきたのです。国内大手企業数社などの協力を得て、従業員にワーケーションを実際に行ってもらい、その時の健康状態を調べる実証実験を行ったのです」
■血圧、心拍数、自律神経の状態を詳細に測定すると…
対象となったのは大手企業に勤める健康な男性9人、女性11人の計20人。年齢は25~42.8歳で体格指数(BMI)が22.3±2.8だった。20人には、ワーケーションを通じて自分に合ったコンディションの整え方を知り、自分のパフォーマンス向上方法を確かめられるプログラムを用意。千葉県勝浦市と静岡県浜松市にある5つ星のリゾートホテルで5日間のワーケーションを行った。
海が見える部屋の装飾品は同じで、食事も均一だった。
5日間の日課は午前7時起床、日光浴をしたあと、コップ1杯の水を飲み、均一な朝食を取り、シャワーを浴びる。7時30分からマッサージを受けて午前9時から10時まで参加者同士で意見交換。午前10時から11時30分まで重要な仕事をこなし、11時30分から12時までウオーキングか音楽に合わせたエクササイズを行った。