著者のコラム一覧
森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

「そのうち治る」と思っていたら、どんどん痛くなり眠れなくなった

公開日: 更新日:

 コロナ禍で巣ごもり生活やテレワークが普及し、日常的な活動量がすっかり減少。その影響で、腰痛、首や肩の痛み、肘の痛みといった運動器疾患を訴える中高年が増えています。そんな方がどう過ごしているうちに症状が強くなったのか、いろいろお伝えしたいと思います。

 50代の女性が、肩の痛みがお悩みで来院されました。

「半年前から左肩の痛みが出てきていましたが、そのうち治るかと思って、ずっと放置していました。周りでも五十肩ってなかなか治らないんだからね、1年かかったからといわれたんですよ。まあ気長に付き合っていくかと思っていました。でもどんどん痛くなるんですよ。夜中、特に痛みが強くなって、全然眠れなくてつらくて」

 このような方はたくさんいます。ここで厄介なのは、一般の方々がよく口にする「五十肩はそのうち治るから」。過去の研究では、約半数程度は2年経っても症状が残ったとされています。

 そのうち治る──。これは人が持つ自分本位の考えではないでしょうか。


 人は、痛みが強くなるまでは「そのうち治る」と楽観するのは仕方ないと思います。さらに人はもともと運動が嫌いな遺伝子が組み込まれています。それゆえによほど自分を律しない限り、肩の痛みが生じてくると運動をますますしなくなります。「痛み↓運動しなくなる↓肩以外のところも筋肉が硬くなる↓再び肩の動きなどに悪影響を及ぼす」という、負の連鎖が起こるのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由