クルマを運転している時に表れる認知機能の低下サインとは?
ほかに「運転自体に興味がなくなった」「運転すると妙に疲れるようになった」という項目があります。ホームページにはありませんが、逆に「ちょっとした距離でも車で行くようになった」場合も注意しましょう。歩いて出かけることが減るのは、認知機能の低下が原因のケースがあるからです。歩くという行為には「集中力」「意欲」が関係しますし、歩きたがらないのは運動機能の低下が影響しているからです。高齢の親が歩いて5分のコンビニに行く際でも車を使うことが増えたら要注意。ご家族は予防も兼ねて近場なら「一緒に歩いて行こう」と声をかけてあげましょう。
ちなみに、高齢者の運転に関して「車庫入れ」で車をよくこすったり、時間がかかって上手に止められなくなったという相談があります。この場合は視空間認知力が衰えており、すでに認知機能の低下が進んでいるケースです。
また、認知機能の低下が見られる患者さんは、運転動作以外の日常生活にも「集中力」と「注意力」の低下が表れます。湯飲みをひっくり返すことが多くなったり、食べこぼしが増えて机や服を汚すようになったり、ボタンの掛け違いが多くなったなら、注意が必要です。これらが見られる場合、運転動作にも異変が表れている可能性があります。本人に自覚症状がなくても、とくに70歳を過ぎていたら毎年脳ドック(MRI)を受けることをお勧めします。