命を考える──恩師の人柄と考えに触れて思わされたこと
さらに、「軍縮問題資料82(1987年9月号)連載特集 憲法と私Ⅰ その改正や改悪反対を論ずる前に-ある戦争体験医師はこう考える-」「生殖医療における生命倫理と世界の情勢」「日本は果たして大国か-多くの面で、まだまだ小国である」「国際化や国際交流のこれまでとこれから」「生命の質と量」「基本倫理について」「医療従事者の社会的使命」「ヒポクラテスの誓いとその後」「医の倫理教育-その過去、現在、未来」などがあります。
これらの論文の表題からも推察されますが、退官後の品川先生の大きな仕事のひとつに、「核兵器の廃絶や核拡散防止」を心底から願い、広く社会に警鐘を打ち続けられていたと思いました。
産婦人科学という分野は、分娩、帝王切開、新生児、不妊等々、そして婦人科がん、末期がん、死まで見つめます。品川先生は、長い間、生命の誕生から死まで深く関わり、現役を退いてからも、哲学、倫理学、社会学をさらに深めていかれたのでしょう。
特に産科学では、生命の誕生という点からも、「命とはなにか?」を絶えず考えてこられたのではないかとあらためて思いました。
品川先生が活字に残された、命の考え方、思いを、深く理解していきたい。そう思わされました。