日本では100人に1人が発症する「統合失調症」は治療で寛解できる

公開日: 更新日:

 この低侵襲性脳刺激法は1900年代半ばからあるが、脳の刺激する場所を変えるなど改良が行われてきた。薬での改善効果が感じられにくい認知機能障害にも有効であることが明らかになっている。

「さらに今回の研究では、脳の左上側頭溝を刺激することで『社会認知機能』の障害が軽減されることを、世界で初めて確認しました」

 これまでのtDCSを用いた研究では、脳の左前頭前野に対する陽極刺激を行っていた。その場合、「神経認知機能(記憶力など)」を改善させるが、「社会認知機能」への効果は弱かったという。それが、左上側頭溝を刺激したことで、社会認知機能に改善がみられた。社会認知機能を抗精神病薬とtDCSで比較したところ、抗精神病薬では小さい効果であったのに対し、tDCSでは中等度以上の効果が得られた。これらの結果から、患者が復学や就労といった社会復帰を促すための有効な治療法になることが期待される。

 tDCSは、頭皮上に2つのスポンジ電極を置き、電極間に1~2ミリアンペア程度の微弱な電気を流し、脳の神経活動を調節する。麻酔の必要がなく、副作用のリスクが少ない。研究では1回20分、1日2回を連続5日間行うことで社会認知機能の障害に改善効果がみられた。統合失調症だけでなく、うつ病にも効果があるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」