認知症では寝ているときに手足が勝手に動いてしまうのはなぜ?
ときどき、認知症の人が夜間に徘徊して、行方不明になるといったニュースを目にすることはありませんか。徘徊は、一般的に認知機能の低下によって直前のことが思い出せなくなり、目的を見失うことで起こります。たとえば、トイレに行こうと思ったものの、どこに行くか途中で忘れてしまう。
その結果、途方もなくさまよい続けて、誰かに発見されるといったケースが少なくないのです。しかし、徘徊の原因は認知機能の低下だけではありません。
認知症にはいくつかの種類があり、「アルツハイマー型認知症」を筆頭に、「前頭側頭型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」の4種類が代表的です。このうち、レビー小体型認知症では、認知機能障害や幻視、手足の震えやこわばりといったパーキンソン症状が知られていますが、とりわけ「レム睡眠行動障害」と呼ばれる睡眠時の異常行動が特徴的です。
レム睡眠行動障害とは、寝ている時に夢の内容に伴って大声で叫んだり、手足が勝手に動く症状です。それにより途中で何度も目が覚めてしまい、眠りが浅く睡眠障害も引き起こします。場合によっては、目が覚めると知らないうちに家の外を出歩いていたというケースもあります。本人は体が動いているとの自覚がないため、目が覚めた時に不安になったり錯乱状態になりやすいといえます。