トランプ氏の性的暴行認定は「有害な男らしさ」の否定
トランプ元大統領が、賠償金6.8億円を命じられた民事訴訟は、原告のE・ジーン・キャロルさんが「トランプ氏から性的暴行と誹謗中傷を受けた」という申し立てが認められたのと同時に、「有害な男らしさ」の否定でもありました。
30年近く前に起きた事を証明するのは難しく、結局レイプは認められず、性的暴行にとどまりましたが、原告にとってはそれだけでも大きな勝利でした。
トランプ陣営側は、キャロルさんが自身の名声のために「完璧なレイプ犠牲者」になりすましていると攻撃。しかしキャロルさんの弁護団は、トランプ氏が常に豪語している「自分は有名人だから、女はいくらでも寄ってくる」という態度を逆手に取ったのです。
2016年大統領選直前に浮上した悪名高いビデオでトランプ氏は、「どんな女でも股間をつかむくらいならやらせてくれる」と発言しました。これに対し今回彼は「良くも悪くも当然のこと」と、重ねて正当化する証言をしたのです。これが「キャロルさんに対して、少なくとも性的虐待をしたことは十分考えられる」と、陪審員が判断する材料になりました。