俳優の三宅弘城さんは妻の看取りを告白…末期がんの激痛は拠点病院の支援室に相談
身体的な苦痛として問題なのは、食欲低下がトップで痛みが続きます。いずれも6割前後。今回のすい臓がんの場合、末期になると周辺にある十二指腸や大腸を圧迫するため、食欲低下を招きやすい。口からの摂取が難しく、栄養や水分を点滴で行うゆえんです。
どのがんでも末期は痛みが強くなりますが、特にすい臓がんの痛みはひどく、寝返りもつらいほどです。そのため、モルヒネに代表される医療用麻薬を用いますが、量が増えると意識が薄れてほぼ寝たきりになることもあります。介護する人には、栄養が取れず衰弱するのも、痛みに苦しむのもつらいでしょうし、寝たきりも残念でしょう。
そんな状況を改善するひとつが神経叢(そう)ブロックで、痛みの神経伝達を抑えるため劇的な効果があります。すい臓がんの激痛で寝たきりだった人が、これで改善して歩けるようになり、日常生活を送れるように。何より意識がハッキリして、会話ができるのが大きい。
痛みが強いケースは在宅緩和ケアに入る前に、この神経叢ブロックをすることがお勧めです。すい臓がんは毎年約3万8000人が亡くなりますが、神経叢ブロックを受けるのは300人ほど。効果的な治療法が知られていないためです。