トローチに穴が開いているのには“命に関わる”深い理由がある
さて、ここからが本題です。トローチって真ん中に「穴」が開いていますよね。この穴には深い意味があるのです。じつはトローチには穴が開いていない時代がありました。その頃、溶けきる前のトローチを誤ってのみ込んでしまい、悪いことにそれが気管に入り窒息してしまうという事故が多発しました。
アメでもトローチでも、長い時間舐めている(口の中に含んでいる)と、何かがきっかけとなって自分の意思に反してのみ込んでしまうトラブルが起こる可能性があります。高齢者などで嚥下(えんげ)機能(=のみ込む力)が低下している場合には、そのリスクはさらに高まります。そういったトラブルが起こった場合でも、命の危険性が少なくなるように改良されたのが、今の穴の開いたトローチなのです。
万が一、誤ってのみ込んでしまっても窒息しないように「空気の通り道」としての役割を持っているのがトローチの穴なのです。普段、なにげなく使っているトローチですが、こういった工夫が施されているということを知るだけでも、次に使うときの印象が変わるかもしれませんね。
でも、いくらトローチに穴が開いているからといって、気管に入れば苦しいことには変わりありません。あくまで穴によって窒息のリスクが少なくなるというだけですので、トローチを使うときには溶けきる前に誤ってのみ込まないように注意しましょう。