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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

わからないことを受け入れる「ネガティブ・ケイパビリティー」こそが大切

公開日: 更新日:

 さらに研究結果は集団全体に対するものに過ぎず、メタ分析の結果、相対危険0.47(相対危険度とは危険因子に暴露した場合、それに暴露しなかった場合に比べて何倍病気になりやすいかを示したもの。それが1未満ということは暴露があった方が病気になりにくかったという意味で、100人の病気を47人にまで少なくするという結果を示す)、95%信頼区間0.29~0.75(100回の研究を行うとすればそのうち95%がこの範囲に入ると推定される)、100人の感染を47人まで少なくし、少なめに見積もっても75人まで少なくすると、統計学的に有意な差が示されたところで、研究に参加した個人個人で見てみれば、マスクをしていても感染する人はいるし、マスクをしなくても感染しない人もいる。マスクが感染予防に有効だとしても、あくまで確率の問題でしかないという見方もできる。

 ただその半面、集団として感染者を減らすという点からいえば、個人個人で起こることとは切り離して、集団で起こることを重視したほうがいい側面も無視できないことは前回指摘した。

 そこでここまでのまとめである。

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