【とんぶり】朝、納豆に足すと体内時計のリセットに役立つ
あまり耳にしない名前ですが、箒(ほうき)にもなるホウキギという植物の実から作られます。その名前の由来は諸説ありますが、唐から伝来した意に、秋田の名産ハタハタの卵を意味する「ぶりこ」を合わせなまってできた説が有力です。古くから秋田県で栽培されており、プチプチとした食感と淡泊な味わいが特徴です。
平安時代にすでに日本に導入され、江戸時代には農業全書や歌謡などの文献にその栽培や用途についての記録が見られます。強壮、利尿の効果があるとも言われてはいたものの、本格的に食用として広まったのは飢餓の時期。食べ物が不足し、食料として利用された記録があります。
農林水産省では、特性が産地と結びついている産品について、その名称を知的財産として保護する「地理的表示(GI)保護制度」を設けています。秋田県大館市比内町は、日本国内唯一のとんぶりの生産地で、2017年にGIへ登録されました。以降、全国的に知名度が高まり、イタリア料理などでも利用されることが増えているそうです。「畑のキャビア」や海外では「マウンテンキャビア」などとも呼ばれています。