若い女性の心臓病は遺伝的な冠危険因子がリスクを上昇させる
年齢とは関係なく、若い世代でも冠動脈疾患の発症リスクをアップさせる最大の要因は、先ほども触れた遺伝的な冠危険因子──高血圧、高血糖、高コレステロール血症が高いレベルで揃ってしまった場合です。これに肥満や喫煙、ストレスといった因子も加わると、さらにリスクは上がります。
ですから、心臓病を予防するためには、遺伝的な冠危険因子がどの程度あるのかどうか、若いうちからしっかり把握しておくことが大切です。日本の場合、それらがわかる健康診断が比較的きちんと実施されている環境が整っているといえますが、女性の中には若いうちに家庭に入ったり、派遣社員として限定的に働いていたなどで、定期的な健康診断をしっかり受けていない人も少なくありません。若いうちから遺伝的な冠危険因子をしっかりチェックしておけば、いわゆる生活習慣病による心臓病からの突然死を防ぐことができますから、若い女性でも気になったら動脈硬化素因を採血で調べておくことをおすすめします。
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