「歯間清掃」の習慣で血糖値は安定する…乱れやすい年末年始は注意
研究は自分の歯が15本以上残っていて、2型糖尿病治療のため通院している104人が対象。歯数、1日の歯磨き回数、デンタルフロスや歯間ブラシなどの使用による歯間清掃頻度、歯科通院回数をアンケート。さらにHbA1c、空腹時血糖値、インスリン、高感度CRP(炎症や細胞破壊が起きると血中で増えるタンパク質のこと。炎症や感染症を調べるためのマーカーとして使われる)、IL-6(免疫応答や炎症調整で重要な働きをするサイトカイン)、TNF-α(腫瘍壊死因子)、MCP-1(単球走化性促進因子)、尿中アルブミン/クレアチニン比、CGMの血糖変動指標である「Time in Range」(CGMで測定した血糖が目標域に入った時間の割合を計算した値。糖尿病合併症の発症・進展や死亡率と関係するといわれる。以下TIR)などを調べ、その関係を分析した。
「この研究で注目したいのは、HbA1cや空腹時血糖だけでなく、歯間清掃習慣や歯の本数が、24時間の血糖変動の質の良さを示すTIRの数値と比例することが明らかになったことです。例えばTIRを基準にしてみた場合、週3回以上歯間清掃習慣がある人は、そうでない人に比べて有意に平均グルコースが低いことが明らかになっています。また、歯数が20本以上の人はそうでない人に比べてやはり有意に平均グルコースが低かったのです。さらに歯科通院回数はHbA1cや空腹時血糖値と負の相関関係にありました。つまり、歯間清掃習慣や歯科通院を通じた口腔ケア、歯数の維持は血糖コントロールに重要だ、ということです」