例年の3倍に急増中!「溶連菌」は大人が感染すると重症化リスク大
■軽快後に発症する合併症に注意
溶連菌感染症はウイルス性と異なり細菌性なため自然治癒が難しく、抗生物質での治療が必要だ。ペニシリン系薬剤のアモキシシリンが圧倒的に効果が高いといわれ、1日3回10日間の服用で、除菌効果は90%以上とされている。合併症を防ぐためにも熱が下がったからと自己判断で薬の服用を中断せず、処方された量は全て飲み切ることが重要だ。
「ただ、急性糸球体腎炎は溶連菌感染症の症状が治まった後に発症する厄介な合併症です。20代の女性は溶連菌の感染から2週間後に足のむくみで再度受診されました。溶連菌感染症そのものの治療が終わってからも2~4週間程度は足に異変がないか、血尿が出ていないかよく確認する必要があります」
感染を防ぐには、できるだけ密集した場所は避け、マスクの着用や手洗いうがいをし、こまめな水分摂取で喉を保湿するなど、基本的な感染対策が有効だ。
コロナが5類に移行してからというもの、他の感染症の流行が後を絶たない。万が一発熱したときに備えて、溶連菌も頭に入れておきたい。