前立腺がんの治療後、下腹部に不快感が出ると心配になる
それでも、放射線治療後の定期検査ではがんの再発はなく経過しました。
■血便があって検査を受けたときも…
3年たった頃、便に血が混じることがあり、消化器内科を受診すると内視鏡検査を受けることになりました。Aさんは、「今度は直腸がんになってしまった。自分はどうして不幸が重なるのか」と奥さんに話しました。
すると奥さんから「まだ、直腸がんと決まったわけでもないのに。でも、もしそうだとしても、しっかり治療して、元気になってもらわないと。今から心配し過ぎても仕方がないじゃない。お父さんは度胸がないんだから」とハッパをかけられました。
内視鏡検査の結果は、血便の原因はがんではなく、放射線治療による直腸炎との診断でした。消化器内科で貧血を改善するための鉄剤などが処方され、次第に血便は落ち着き、Aさんも奥さんもホッとしました。
最近、Aさんの口癖になっているひとりごとは、島崎藤村の「千曲川旅情の歌」の一節です。