著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

「チョコレート」が心臓と血管を守るのは本当なのか?

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 さらに、1週間当たり1サービング食べる人は、同じく心房細動リスクが17%低く、1週間当たり2~6サービング食べる人では20%、1日に1サービング以上食べる人も16%リスクが低いという結果でした。

 ほかにも血圧を低下させる効果についても数多くの研究があります。海外の栄養学専門誌では、30日間毎日カカオ90%のダークチョコレートを食べた人は、カカオ含有率の低いダークチョコレートを食べた人より血圧の値が改善したと報告されています。

 日本の愛知学院大学と明治による共同研究でも、45~69歳の347人を対象に、カカオポリフェノールを多く含むチョコレートを4週間、毎日一定量(1日5グラムを5枚)摂取してもらったところ、血圧が高めの人ほど正常な人より血圧が低下、HDL(善玉)コレステロールが上昇、動脈硬化の検査などに使われる炎症指標(hs-CRP)と酸化ストレス指標(8-OHdG)が低下といった作用が認められたそうです。

 カカオポリフェノールには、先ほど触れた抗炎症作用や抗酸化作用に加え、一酸化窒素合成酵素の働きを高める働きがあります。一酸化窒素は、血管を拡張させたり、血小板の凝集を抑える作用があるため、血圧を低下させたり血栓をできにくくして、動脈硬化の予防につながると考えられるのです。

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