多発性筋痛症と診断され、原因不明&治療なしと諦めていたら…
年齢を重ねるごとに椎間板の水分量は減少し、硬くなってきますが、この椎間板変性症は、そのことにより椎間板の外側にある線維輪という部位に傷が入りやすくなり、椎間板の中にある髄核のクッション機能が低下し発症するものです。
そこで、クッション機能を回復させるため、患部である椎間3カ所にセルゲル法を実施。術後には座位、立位、歩行などに問題が見受けられなかったため、その日に帰宅していただきました。
それから1週間後には、痛さはほぼなくなったということですが、下肢全体や、ふくらはぎは重く、ピリピリする状態が残っていました。ご本人からリハビリを検討したいとの申し出もいただき、さっそくその手配も行ったのでした。
腰痛には体幹トレーニングやスクワットなど、あまり激しくないレベルの運動や、患部周辺をマッサージしたり温めたりして血行を改善することが有効です。この方の場合は特別な運動はしていないとの話でしたが、散歩や農作業で比較的体を動かし、筋力維持もされていたことが幸いしました。半年たったあたりまで下肢のしびれや違和感が残っていたものの、1年後には完全に違和感も散歩の後の疲労感もなくなったという、うれしいご報告をいただけるまでになりました。
ですが、引き続きリハビリへの参加とともに、日常的な散歩による歩行や入浴後のストレッチなどをお勧めしたのでした。
(ILC国際腰痛クリニック東京・簑輪忠明院長)