皮膚を見れば病気が分かる(1)脇の下が黒くザラザラして厚くなっていたら胃がんの可能性
なかでも胃がんに多く合併しやすいのが「黒色表皮腫」だ。脇の下や鼠径部など、摩擦が起こりやすい箇所に、硬くザラザラとした皮膚の肥厚が見られるのが特徴で、黒い色素沈着を伴いやすい。
「悪性腫瘍がなぜ皮膚病変を起こすか、はっきりと分かっていませんが、腫瘍細胞が出す成長因子(サイトカイン)が、皮膚の表皮細胞を増殖させるために皮膚症状を引き起こすといわれています」
ほかにも、数週間のうちに背中に老人性イボ(脂漏性角化症)が広がった場合、「レーザー・トレラ兆候」と呼ばれる胃がん特有のデルマドロームの可能性が高いという。
「高齢者に生じる褐色や黒色のイボのほとんどは老化現象によるものです。しかし、短期間に大きなイボが発生し、強いかゆみを伴うなら皮膚科への受診をおすすめします」 (つづく)