がん化学療法の終了を報告…英キャサリン妃の気になる病状
もう一つは、子宮内膜症があります。女性の10人に1人が患うありふれた病気で、子宮内膜の細胞が子宮の外で増殖し、生理のときに出血を起こすのです。それが卵巣で起こるのがチョコレート嚢胞。卵巣内部にたまった生理の出血が古くなると、溶けたチョコレートのようになることからこう呼ばれます。
チョコレート嚢胞は卵巣がんのリスクです。卵巣がんの合併率は、40代で4%という報告もあり、嚢胞が10センチ以上になるとより合併率は高まります。
卵巣がんは50代が発症のピークですが、40歳から増えること。卵巣にできる腫瘍は、良性、良性と悪性の中間的な境界悪性、悪性の3つに分けられ、良性が85%程度であること。診断するには、まず腹部手術で病巣を切除して病理検査が必要なこと。卵巣がんは婦人科系のがんの中では比較的抗がん剤が効きやすく、治療は手術と抗がん剤を組み合わせるのが基本であること。
キャサリン妃は42歳。がんの専門医が一連の報道に触れ、こうした事情を踏まえると、卵巣がんの可能性はあると思われます。子宮体がんも、開腹による大がかりな手術と化学療法が治療の中心になるケースが多く、この可能性もあるでしょう。一方、子宮頚がんは、欧米は放射線を使うことが多いのに、放射線の話がまったく出ていない点で、可能性は少ないと思います。