夜間頻尿と痛みに苦しむがん患者…訪問看護師が取った手は?
冒頭の患者さんのような突然の外出といった場合、自宅での療養を基本とする医療においては、より柔軟な対応が求められます。
ちなみにこの患者さんは乳がん末期の70代女性で、一軒家に息子さん家族と同居しています。寝室と水回りは1階で、食事の時には息子さん夫婦と過ごすために2階へ移動しています。いまのところ自立歩行はできるものの、最近は息切れがして難しくなり、食欲もなくなってきました。疼痛コントロールのために麻薬を使用しており、その麻薬の使用と頻尿による断眠が重なり、日中でもウトウトしてしまう時間が増えがちでした。
「痛み止めは使いましたか?」(私)
「はい。夜中の3時に使いました」(患者)
「どこが痛いですか?」(私)
「背中で。前にコブがあったところ」(患者)
「がんの痛みかもしれないですね。痛み止めのテープの量を増やしましょう」(私)
以前ならこのように、尿意で夜中に目が覚め、痛みを新たにしていた患者さんでしたが、点滴の量を工夫することで解決。これらは全て訪問看護師さんの丁寧な観察によって得られたことで患者さんの生活の質(QOL)を向上させた訪問看護師さんには改めて感心させられたのでした。