歯科インプラントやっていい人ダメな人(4)「転ばぬ先の杖」で介護対策
インプラントは、本連載で繰り返し述べてきた通り、入れればおしまいではなく、メンテナンスが非常に重要だ。また、インプラントを入れる前には、虫歯、歯周病の治療と噛み合わせの治療は必須であり、インプラント後も同様。歯ぎしりなどでマウスピースをつけていた人は、インプラントの後もマウスピースが必要だ。
「健康寿命を延ばすには口の健康を保つことが不可欠で、インプラントは、口の中の健康を保つ上での手段のひとつです。失った歯を代用することで、サルコペニア(高齢期の筋力・身体機能低下)、転倒、認知症、記憶力低下などの予防にもなると言われています」
近年は、オーラルフレイルにも着目されている。フレイルは「虚弱」を意味し、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指す。林特任教授が、常々口にしている造語がある。
「転ばぬ先の杖、ならぬ、転ばぬ先の義歯&インプラント。噛む力が大切。特にインプラントは、しっかり噛む力を取り戻せる。結果、フレイル、要介護を予防し健康寿命が延びる可能性が大きいのです」 =おわり