物忘れが目立つ…認知症を疑ったら「てんかん」のチェックも
「てんかん発作は脳神経細胞の制御不能な発火であり、それを繰り返し起こしやすくなる状態がてんかんです」
あらゆる年齢で発症するが、発症年齢で多いのは子供と高齢者だ。生後から思春期くらいまでの年代で発症する場合は先天性が多いのに対して、高齢者では脳卒中、脳腫瘍、アルツハイマー病など脳神経の病気の発症に伴って多くなる。
日本での久山町研究では、65歳以上のてんかん発症の要因の半数以上を脳血管疾患が占めていた。
また、国際多施設共同前向きコホート研究では、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)発症1年後のてんかん発症リスクは、脳出血の場合20%、脳梗塞の場合14%と報告されている。ただ、原因不明のてんかんも多い。
高齢者のてんかんはほかの病気と間違えられやすく、適切な診断に至っていないケースもある。
「中でも、認知症だと思って諦めていたら実はてんかんだったというケースが少なくありません。しかしてんかんは治療法があり、適切な治療でコントロールすることができます。特に高齢者では少量の薬でも効果があります。早く発見し、治療を開始することが必要です」