糖尿病患者は「骨折」に注意する…命に関わる合併症のひとつ
「骨折」は日常動作はもちろん、生活の質の低下をもたらす。高齢者の場合は治りにくいうえ、死亡リスクも高める。そんな骨折リスクは糖尿病で特に高くなるという。なぜか?
糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。
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「糖尿病というと血管や心臓、腎臓や肝臓などの病気ばかりを気にし、骨折への認識が欠けている人が多いのは残念です。糖尿病やその予備群は、骨折が糖尿病の合併症のひとつであることを自覚する必要があります」
糖尿病は、インスリン作用の不足による慢性の高血糖状態を主な特徴とする病気だ。高血糖状態は全身にさまざまな障害を引き起こし、寿命の短縮、生活の質の喪失などを招く。合併症は、網膜症、腎症、神経障害で、脳心血管障害や急性代謝失調(急性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖)や足病変、歯周病などの感染症、認知症などが知られる。ところが、糖尿病の人は骨折が多いという複数の報告があるのにあまり知られていない。