黒ニンニクの成分「SAC」の効果…疲労研究のパイオニア「エビデンスあり」とお墨付き
疲労を和らげ、回復を早めるには何が有効か? 渡辺氏らは疲労の度合いを客観的・主観的に計測する指標を多数開発し、ヒトでの臨床試験をはじめ疲労モデル動物を用いた効能試験も実施。一般的に疲労回復に良いといわれるものが、エビデンス(科学的根拠)をもって本当にそう言えるのか評価し、論文や一般書としても発表している。
その「抗疲労効果のエビデンスあり」のお墨付きを得たものは何十種類にも及ぶ。その1つが、ニンニクを発酵させて作る黒ニンニクに多く含まれる「S-アリル-L-システイン(SAC)」だ。SACは抗酸化作用、抗炎症作用のほか、神経保護作用、肥満抑制・抗糖尿病作用などにも優れている。SACについて研究を行う日本大学薬学部薬理学研究室の小菅康弘教授は「SACの脳疲労感軽減効果はヒト試験でも証明されている。また慢性炎症は、酸化ストレスや小胞体ストレスに相互作用して増悪する負のスパイラルを引き起こすが、SACがそれを断ち切る可能性がある」と指摘。
■抗疲労は抗老化につながる
渡辺氏が言う。