理想の顎を手に入れたい…アルファ世代男子のトレンド「ルックス・マキシング」
ただ気になるのはそのモチベーションです。彼らが理想とする男性像は「高い階級と権力、経済力があり、自己コントロールでき、美しい女性を夢中にさせることができる男」だというのです。中でも見かけは「自己コントロール」の1つとして重要な要素です。
アルファ世代男子がこうした考えを持つようになった背景には、男性性への危機感があると言われています。それが最も強く現れているのは、すぐ上のZ世代の白人男性です。女性やマイノリティ、LGBTQなどの権利が急速に進んだアメリカで、彼らの多くが、経済的・社会的に「取り残された」と感じています。こうした思いを持つ男たちで構成される、ネット上の緩やかなコミュニティは「マノスフィア」と呼ばれ、中には反フェミニズムや女性蔑視の考えを持つ者もいます。こうしたZ世代の影響をアルファ世代男子は強く受けています。
自己改善やセルフケアは悪いことではありませんが、「ルックス・マキシング」は非現実的な美の基準を男性に押し付けたり、低い自己評価や不安感を助長する事にもなります。それがまだ幼いアルファ世代男子のメンタルに、悪影響を与えるという批判も強まっています。